自費出版を検討中のあなたに伝えたい5つの「自費」確認ポイント

人生が長くなった今、定年を迎えてからの時間をどう使うかを考える人が増えています。
これまでの仕事、家族との思い出、自分の価値観。振り返るほどに「このまま消えてしまうのはもったいない」「自叙伝として残しておきたい」と感じることもあるでしょう。

そんな時、多くの方がインターネットの検索窓に打ち込む言葉が「自費出版」です。
けれども、自費出版は決して安い買い物ではありません。後悔しないためには、契約の前に確認しておきたいポイントがいくつかあります。

この記事では、自費出版を検討しているあなたに向けて

  • 自費出版の現実
  • なぜお金がかかるのか
  • 本当に自費出版が必要なのかどうか

を、一緒に整理していきます。


自費出版で自叙伝を残したくなる理由

長く働いてきた仕事のこと。
独立してからの失敗と成功。
子どもたちの成長や、共に歩んできたパートナーへの思い。

振り返ってみると、どれも簡単には言い尽くせないストーリーばかりです。

「どうせなら一冊の本にまとめて、家族や身近な人たちに読んでもらいたい」
「自分の生き方を次の世代に残したい」

そう考えた時の選択肢として、自費出版が頭に浮かぶのはとても自然なことだと思います。

ただ、そのまま勢いで「自費出版 見積もり」「自費出版 費用」と検索してしまう前に、少しだけ立ち止まってみましょう。

自費出版は、思っている以上に「お金」と「流通」の仕組みに左右される世界です。


「出版=書店に並ぶ」だけではないという話

「出版する」と聞くと、多くの人は本屋さんの棚にずらっと本が並んでいる様子を思い浮かべます。

  • 自分の本が書店の棚に並ぶ
  • 偶然手に取ってくれた人がファンになってくれる
  • サイン会や講演会の依頼が来る

こんなイメージかもしれません。

けれども現実には、毎日たくさんの新刊が本屋さんに届いています。
限られた棚のスペースに置ける本は一部だけですし、売れない本はすぐに倉庫行きになります。

その裏側には

  • 出版社から本屋さんへ本を運ぶ「取次」という問屋の存在
  • 返品された本が再び倉庫に戻っていく流れ

といった、少し複雑な流通の仕組みがあります。

ここで一つ大事なポイントがあります。

「本をつくる」ことと「本を書店に並べる」ことは別の話だということです。

自費出版の見積もりには、しばしばこの「流通」のためのコストが含まれています。
それが、金額を押し上げる大きな理由の一つです。


自費出版の見積もりに含まれているもの

一般的な自費出版の見積もりを見ると、次のような項目が並んでいます。

  • 企画・編集費
  • レイアウト・組版費用
  • 表紙デザイン費用
  • 校正費
  • データ作成費(入力、PDF作成など)
  • 印刷製本費
  • 流通・在庫管理のための費用

ぱっと見ただけでは何をしてくれるのか、イメージしにくいものもあるかもしれません。

けれども、自費出版を利用する場合、

  • 手書き原稿やワードファイルを渡す
  • プロの編集者が読みやすい文章に整える
  • デザイナーが表紙やレイアウトを作る
  • 書店流通用にまとめて印刷し、倉庫で在庫を管理する

といった工程がセットになっていることが多く、その分どうしても費用は高くなります。

印刷部数が増えれば増えるほど単価は下がりますが、その分在庫の山も高くなります。
「そんなにたくさんは必要ないんだけど」と思っても、流通に乗せるための最低部数が決まっているケースも少なくありません。


自費出版の前に確認したい5つの「自費」ポイント

ここからが、この記事の本題です。
自費出版を申し込む前に、ぜひ次の5つを自分に問いかけてみてください。

1. 本当に「書店に並ぶ」必要があるか

「出版したい」という気持ちの本音は、どこにあるでしょうか。

  • 全国の書店に並べたい
  • たくさん売って有名になりたい

のであれば、商業出版を目指す道もあります。

一方で

  • 家族や親しい人たちに読んでもらえれば十分
  • 仕事仲間やお世話になった方への贈り物として配りたい

という目的であれば、必ずしも大きなコストをかけて自費出版で書店流通を目指す必要はないかもしれません。

自費出版と商業出版、自己出版の違いについては
自費出版・商業出版・自己出版の違いとは?初心者向け選び方ガイド
で詳しく整理していますので、あわせて読んでみてください。

2. 誰に何冊届けたいのかがイメージできているか

自費出版の見積もりでは、数百部から数千部といった単位で印刷部数が決まります。

ここで自分に問いかけてみてください。

  • 実際に顔が思い浮かぶ「渡したい相手」は何人くらいいるか
  • その人たちが本を受け取ってくれそうか
  • それ以外にどのくらいの人が買ってくれそうか

「なんとなくたくさんの人に読んでもらえたらうれしい」だけで部数を増やしてしまうと、余った在庫を抱えることになります。

自費出版は、印刷部数に比例して「自分のお財布」からお金が出ていく仕組みです。
だからこそ、部数のイメージを先に持っておくことはとても大切です。

3. 自分が出してもよい金額の上限が決まっているか

自費出版の営業トークを聞いていると

  • 「特別価格」
  • 「今だけキャンペーン」
  • 「増刷されれば元が取れます」

といった、魅力的に聞こえる言葉が並ぶことがあります。

けれども、自費出版はれっきとした「自己投資」です。
まずは

これ以上は出さないと決めた上限額

を自分の中で決めておくことをおすすめします。

「あなたの原稿は素晴らしいので、共同出版でどうですか」といった誘いを受けた時に、どこで出版社が利益を得ているのかを冷静に見極めることも大切です。
その点については
「あなたの作品なら共同で出版したい!」と言われた時に確認したい出版社の収入源
で詳しく解説しています。

4. 在庫をどこでどう保管するのか決めているか

自費出版でまとまった冊数を印刷すると、当然ながら「本の置き場所」が必要です。

  • 自宅に段ボール箱を積み上げるのか
  • 倉庫費用を支払って預けるのか
  • 必要な時だけ取り寄せられるのか

本は重さもありますし、湿気にも弱い紙の束です。
在庫管理は、思っている以上に体力もスペースも使います。

「とりあえずたくさん刷っておけば安心」と考える前に、在庫と向き合う現実も想像してみてください。

5. 自費出版以外の選択肢も比較したか

最後のポイントは

自費出版以外の選択肢をきちんと比べてみたかどうか

です。

  • 電子書籍だけで出版する
  • 必要な分だけオンデマンド印刷を利用する
  • 自己出版サービスを使って小さく始めてみる

など、今は「本をつくる」ための方法がいくつもあります。

自費出版が合っている方もいれば、別の方法の方が負担が少なく、目的にも合っている方もいます。
一度落ち着いて、自分の目的と予算に照らし合わせてみてください。


自費出版だけが選択肢ではないという考え方

ここまで読んでみて

  • 自費出版の仕組みはなんとなく分かった
  • でもやっぱり、自分の人生を本として残したい

そう感じた方も多いと思います。

その時にぜひ覚えておいていただきたいのが

「必要な分だけつくる」という選択肢

です。

たとえば MyISBN では、注文が入ってから一冊ずつ印刷するオンデマンド印刷を採用しています。

  • 数千部をまとめて刷る必要がない
  • 在庫を抱えなくてよい
  • 数千円台から紙の本をつくることができる

といった特徴があり、「本をつくりたい」という気持ちと「大きな初期費用は避けたい」という気持ちの両方を満たしやすい方法です。

書店の棚にずらっと並ぶことはありませんが

  • Amazonや楽天ブックスで購入できる
  • 街の本屋さんで取り寄せ注文ができる

といった形で、ちゃんと紙の本として流通させることができます。


もっと詳しく知りたい方へのおすすめ記事

自費出版について、もう少し具体的に知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

自費出版を含めた出版の選択肢を、落ち着いて比較する助けになるはずです。


本をつくりたいあなたへの提案

自分の人生を一冊の本にまとめたい。
これまでの経験や想いを、紙の本として手に取りたい。

そう感じるのは、とても自然で素敵なことです。

だからこそ

  • 自費出版の費用や仕組みを理解した上で選ぶこと
  • 「本をつくる」のか「書店に並べる」のか、自分の目的をはっきりさせること
  • 必要な分だけつくれるサービスも比較してみること

を意識してみてください。

もしあなたの目的が

「本をつくって家族や身近な人に届けたい」
「在庫の山に悩まず、気軽に紙の本を出してみたい」

ということであれば、MyISBNのようなオンデマンド型の自己出版サービスは、きっと強い味方になってくれるはずです。

あなたの物語が、無理のない形で一冊の本になり、読んでほしい人の手元に届きますように。

MyISBNのサービスサイトで詳細を確認する

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