本のタイトルは、内容と同じくらい大切な「最初の入り口」です。けれど、いざ付けようとすると「主題はどう決めるのか」「副題(サブタイトル)には何を入れればいいのか」と手が止まってしまう方は多いと思います。とくに副題は、ちょっとした工夫で本の見つかりやすさが変わる部分です。
この記事ではまず主題と副題の違いをやさしく整理し、そのうえで検索で見つけてもらえる「売れる本のタイトルの付け方」を、読者像→キーワード→主題・副題という手順で5つのコツにまとめます。最後に副題の具体例も並べますので、自分の本に当てはめながら読んでみてください。電子書籍にもそのまま応用できる考え方です。
主題と副題の違いとは
はじめに、混乱しやすい「主題」と「副題」の違いを整理しておきましょう。ここがはっきりすると、後のタイトルづくりがぐっと楽になります。
主題とは、本の中心となるタイトルのことです。表紙でいちばん大きく表示される、その本の「顔」にあたる部分だと考えてください。一方の副題(サブタイトル)は、主題を補って内容をもう一歩具体的に伝える短い説明文です。主題だけでは伝わりにくい「誰の・何のための本か」を、副題が言葉で補ってくれます。
たとえば主題が抽象的で印象重視のときほど、副題で対象読者やベネフィット、具体的なキーワードを添えると、検索でも棚でも見つけてもらいやすくなります。主題で惹きつけ、副題で納得してもらう。この役割分担を覚えておくと、言葉の振り分けに迷わなくなります。
コツ1:読者へ本が届くまでの流れを考える
タイトルを決める前に、まず「読者がどうやって本に出会うのか」を思い描いてみましょう。いまは多くの方が、書店の棚ではなくインターネットで最初に本の存在を知ります。
読者の手元に本が届くまでには、だいたい次のような流れがあります。インターネットで何かを調べ、その内容が本になっていることを知り、どこで買えるかを把握し、購入して受け取る。この中でとくに重要なのが、最初の「調べる」と「本になっていると知る」の二つです。タイトルは、この入り口でつまずかないための看板の役割を果たします。
コツ2:本を読んでほしい読者について考える
次に、あなたの本をどんな方に届けたいのかを具体的に思い描いてみましょう。どんなことに興味を持ち、何について調べている人でしょうか。
ここで役に立つのが、自分自身のネットでの行動を振り返ってみることです。何かに興味を持ってから購入を決めるまで、どんな言葉で検索し、何を基準に選んだか。その感覚を、そのまま読者に当てはめてみてください。読者像がはっきりするほど、後で出てくるキーワードも自然と絞り込めるようになります。
コツ3:読者が検索しそうなキーワードをイメージする
読者像がつかめたら、その人がインターネットで打ち込みそうなキーワードを書き出してみましょう。
たとえば本の出版に興味のある人なら、「本 出版」「出版 価格」「個人 出版」「出版 簡単」「出版 方法」といった言葉で検索しそうです。こうしたキーワードを、5〜6個ほど挙げてみてください。
ここで気をつけたいのは、「本を説明するための言葉」ではなく「読者の興味を表す言葉」を考えることです。主役はあくまで読者です。あなたが伝えたい内容ではなく、読者が知りたくて打ち込む言葉に寄り添うことが、見つけてもらえるタイトルへの近道になります。
コツ4:主題(タイトル)と副題(サブタイトル)に落とし込む
いよいよ、書き出したキーワードを実際のタイトルに組み立てます。本のタイトルには、主題(タイトル)と副題(サブタイトル)を付けられるので、ここで複数のキーワードを自然に盛り込みましょう。
キーワードを主題・副題に振り分ける
先ほどの例で出たキーワードを整理すると、「本・書籍・出版・価格・個人・簡単・方法」といった言葉が並びます。これを主題と副題に振り分けると、たとえば次のようになります。
主題:書籍を出版するための最も簡単な方法/副題:個人でも低価格で本を出版できる! ここでのポイントは、「書籍」と「本」のように同じ意味の言葉をあえて言い換えて両方入れている点です。検索する人によって使う言葉が違うため、表現を散らしておくと拾ってもらえる幅が広がります。
別のパターンとしては、主題:世界で一番簡単な書籍出版の方法/副題:個人でも低価格で本を出版できる時代が来ています! のような形も考えられます。
やりがちなNG例と、見つけてもらえるOK例
たとえば「自費出版完全マニュアル」というタイトルは、格好はよいのですが、読者が検索する言葉とずれているため見つけてもらいにくくなります。これがNG例です。一方で、先ほどのように読者の検索語を主題・副題に織り込んだものがOK例にあたります。
どうしても凝ったタイトルを使いたい場合は、関連するブログやホームページを別に用意し、その中で本を紹介する方法もあります。ただ、手間が増えて難しくなるので、まずは検索語に素直なタイトルから始めるのがおすすめです。
コツ5:実際のタイトル事例から学ぶ
考え方を、実際にMyISBNで出版された本の事例で見てみましょう。
ひとつは『わかりやすいサンスクリット語の正しい発音と表記』という本です。サンスクリット語の学び方について書かれていて、「サンスクリット語 発音」「サンスクリット語 表記」といった読者の検索語がタイトルに入っています。実際に検索すると、検索結果の上位にこの本のページが表示されます。
もうひとつは『ネコと学ぶディベートの本 日本でいちばんやさしいディベートの教科書』です。ディベートという言葉はよく知られていますが、それを扱った本は意外と少なく、しかも古いものが目立ちます。だからこそ「交渉術」などではなく「ディベート」という読者の検索語をあえてタイトルに据えることで、その分野で見つけてもらいやすくなっています。
副題(サブタイトル)の例と作り方
「副題の例が見たい」という声はとても多いので、ここで型ごとに具体例を並べてみます。自分の本のジャンルに近いものを、ひな型として使ってみてください。どれも、主題を補って「誰の・何のための本か」を一言で伝えるのがねらいです。
- 対象読者を示す型 ── 主題『はじめての俳句』/副題『五十代から始める大人の趣味入門』
- ベネフィットを示す型 ── 主題『朝5分の片づけ』/副題『散らからない部屋が自然と続く習慣』
- 具体的な数字を入れる型 ── 主題『個人出版のはじめ方』/副題『4,980円から紙の本を出す7つのステップ』
- 悩み・検索語を入れる型 ── 主題『自費出版という選択』/副題『費用・流通・在庫の不安をやさしく解消』
コツは、主題で気持ちを引き、副題で具体性と検索語を補うことです。副題を考えるときは、読者が打ち込みそうな言葉(数字・対象・地名・悩み)を一つは入れてみると、検索でも届きやすくなります。あれもこれもと詰め込みすぎず、いちばん伝えたい一点に絞るのが、すっきり伝わる副題への近道です。
まとめ:タイトルは「読者の検索語」から逆算する
本のタイトルは、プロでも最後に付けると言われるほど悩むものです。まずは主題と副題の役割を分けて考え、伝えたい内容を本文として書き上げる。そのうえで「この本を探している読者は、どんな言葉で検索するだろう」とじっくり考えてみてください。読者像→キーワード→主題・副題という順番をたどれば、見つけてもらえるタイトルに近づけます。
なお、MyISBN のような自己出版サービスでは、登録したタイトルを後から変更することもできます。最新の料金や条件は公式サイトでご確認のうえ、出版の際の選択肢のひとつとして役立てていただけたら幸いです。