副題(サブタイトル)とは?主題との違い・付け方と例文

本や論文のタイトルを考えていて、「副題って、そもそも何を書けばいいんだろう」と手が止まっていませんか。副題(サブタイトル)とは、主題(メインタイトル)に添えて「誰の・何のための本か」や内容の範囲を補う、短い説明のことです。読み方は「ふくだい」で、サブタイトルと同じ意味の言葉です。

この記事では、副題の意味と主題との違い、表紙や論文での書き方のルールを先に整理し、そのあとで検索で見つけてもらえるタイトルの付け方を5つのコツにまとめます。最後に型別の副題の例文も並べますので、自分の本に当てはめながら読んでみてください。電子書籍にもそのまま応用できる考え方です。

副題(サブタイトル)とは?意味・読み方と主題との違い

はじめに、言葉の意味と、混乱しやすい「主題」との違いを整理しておきましょう。ここがはっきりすると、後のタイトルづくりがぐっと楽になります。

副題の意味と読み方

副題(ふくだい)は、主題の内容を補ったり、扱う範囲を絞ったりするために添える短い題のことです。英語の subtitle をカタカナにした「サブタイトル」も、同じ意味で使われます。ひとことで言えば「主となる題に添える、補助の題」です。

ひとつ気をつけたいのは、英語の subtitle には映画の「字幕」という意味もあることです。日本語で「サブタイトル」と言う場合は、ふつう本や作品の副題を指します。アニメやドラマの各話タイトルをサブタイトルと呼ぶこともありますが、本づくりの場面では「主題を補う副題」と覚えておけば十分です。

主題と副題の違い

主題とは、本の中心となるタイトルのことです。表紙でいちばん大きく表示される、その本の「顔」にあたる部分だと考えてください。表紙全体のつくり方は本の表紙を綺麗に作るコツにまとめているので、主題・副題の見せ方に迷ったらあわせて参考にしてみてください。一方の副題(サブタイトル)は、主題を補って内容をもう一歩具体的に伝える短い説明文です。主題だけでは伝わりにくい「誰の・何のための本か」を、副題が言葉で補ってくれます。

  • 主題(メインタイトル) ── 本の「顔」。表紙でいちばん大きく表示され、印象や世界観を伝える
  • 副題(サブタイトル) ── 主題を補う説明。対象読者・内容の範囲・読んで得られることを具体的に伝える
  • 長さの目安 ── 主題は短く覚えやすく。副題は主題より少し長くてもよいが、一文に収める

たとえば主題が抽象的で印象重視のときほど、副題で対象読者やベネフィット、具体的なキーワードを添えると、検索でも棚でも見つけてもらいやすくなります。主題で惹きつけ、副題で納得してもらう。この役割分担を覚えておくと、言葉の振り分けに迷わなくなります。

副題が使われる場面

副題は本だけのものではありません。ふだん目にする場面を挙げると、次のようなものがあります。

  • 本(書籍) ── 表紙や背表紙、奥付、ネット書店の書誌情報
  • 論文・卒業論文 ── 研究テーマを主題に置き、対象や方法を副題で限定する
  • レポート・企画書・プレゼン資料 ── 主題で結論やテーマを示し、副題で範囲や期間を補う
  • 映画・ドラマ・シリーズ作品 ── シリーズ名を主題に、各作品の内容を副題で区別する

どの場面でも役割は同じで、「主題だけでは伝わりきらない情報を、ひとことで補う」ことです。この記事では、とくに本の副題を中心に見ていきます。

副題の書き方と表記のルール

副題の書き方に、法律のような決まりがあるわけではありません。ただ、表記にはよく使われる慣習があり、それに沿っておくと読み手にも伝わりやすくなります。場面ごとに見ていきましょう。

本の表紙・奥付・書誌情報での書き方

表紙では、主題を大きく、副題をその上か下に小さめの文字で配置するのが一般的です。文字の大きさや位置で主従がわかるため、表紙の上では区切りの記号を付けないことも多くあります。

一方、奥付やネット書店の書誌情報のように一行で並べる場面では、「主題 ― 副題」「主題:副題」のように、ダッシュやコロンで区切って表記されることがよくあります。書誌データでは副題を「副書名」と呼び、書名とは別の項目として扱うのが一般的です。出版サービスの登録画面に副題の入力欄がある場合は、主題とは分けて入力しておきましょう。

論文・レポートでの書き方

論文やレポートでは、主題のあとに副題をダッシュで挟んで書く形がよく使われます。たとえば「地域図書館の役割 ―高齢者の読書活動を中心に―」のように、全角のダッシュ(―や――)で副題の前後を囲む書き方です。主題の下の行に、ダッシュから始めて副題を置く形もあります。

ただし、大学や学会、提出先によって書式が決まっている場合があります。執筆要項や指定の様式があるときは、そちらを優先してください。

副題を書くときに気をつけたい3つのこと

どの場面でも共通する、副題を書くときの基本を3つにまとめておきます。迷ったときは、このチェックに戻ってみてください。

  • 主題と同じ言葉をくり返さない ── 副題は「足りない情報を足す」場所なので、同じ単語の重複は避ける
  • 伝えたいことを一点に絞る ── 対象読者・ベネフィット・範囲のうち、いちばん大事なひとつを中心にする
  • 読者が探す言葉をひとつ入れる ── 本の場合は、数字・対象・悩みなど、読者が検索しそうな言葉を入れる

3つめの「読者が探す言葉を入れる」は、本のタイトルづくりでとくに効いてくるポイントです。ここからは、検索で見つけてもらえる主題・副題の付け方を、5つのコツに分けて具体的に見ていきます。

コツ1:読者へ本が届くまでの流れを考える

タイトルを決める前に、まず「読者がどうやって本に出会うのか」を思い描いてみましょう。いまは多くの方が、書店の棚ではなくインターネットで最初に本の存在を知ります。

読者の手元に本が届くまでには、だいたい次のような流れがあります。インターネットで何かを調べ、その内容が本になっていることを知り、どこで買えるかを把握し、購入して受け取る。この中でとくに重要なのが、最初の「調べる」と「本になっていると知る」の二つです。タイトルは、この入り口でつまずかないための看板の役割を果たします。

出版そのものの費用感や進め方は、本を出版する方法の記事で詳しく整理しています。ここでは、その入り口となるタイトルづくりに絞って話を進めますね。

コツ2:本を読んでほしい読者について考える

次に、あなたの本をどんな方に届けたいのかを具体的に思い描いてみましょう。どんなことに興味を持ち、何について調べている人でしょうか。

ここで役に立つのが、自分自身のネットでの行動を振り返ってみることです。何かに興味を持ってから購入を決めるまで、どんな言葉で検索し、何を基準に選んだか。その感覚を、そのまま読者に当てはめてみてください。読者像がはっきりするほど、後で出てくるキーワードも自然と絞り込めるようになります。

コツ3:読者が検索しそうなキーワードをイメージする

読者像がつかめたら、その人がインターネットで打ち込みそうなキーワードを書き出してみましょう。

たとえば本の出版に興味のある人なら、「本 出版」「出版 価格」「個人 出版」「出版 簡単」「出版 方法」といった言葉で検索しそうです。こうしたキーワードを、5〜6個ほど挙げてみてください。

ここで気をつけたいのは、「本を説明するための言葉」ではなく「読者の興味を表す言葉」を考えることです。主役はあくまで読者です。あなたが伝えたい内容ではなく、読者が知りたくて打ち込む言葉に寄り添うことが、見つけてもらえるタイトルへの近道になります。

コツ4:主題(タイトル)と副題(サブタイトル)に落とし込む

いよいよ、書き出したキーワードを実際のタイトルに組み立てます。本のタイトルには、主題(タイトル)と副題(サブタイトル)を付けられるので、ここで複数のキーワードを自然に盛り込みましょう。

キーワードを主題・副題に振り分ける

先ほどの例で出たキーワードを整理すると、「本・書籍・出版・価格・個人・簡単・方法」といった言葉が並びます。これを主題と副題に振り分けると、たとえば次のようになります。

主題:書籍を出版するための最も簡単な方法/副題:個人でも低価格で本を出版できる! ここでのポイントは、「書籍」と「本」のように同じ意味の言葉をあえて言い換えて両方入れている点です。検索する人によって使う言葉が違うため、表現を散らしておくと拾ってもらえる幅が広がります。

別のパターンとしては、主題:世界で一番簡単な書籍出版の方法/副題:個人でも低価格で本を出版できる時代が来ています! のような形も考えられます。

やりがちなNG例と、見つけてもらえるOK例

たとえば「自費出版完全マニュアル」というタイトルは、格好はよいのですが、読者が検索する言葉とずれているため見つけてもらいにくくなります。これがNG例です。一方で、先ほどのように読者の検索語を主題・副題に織り込んだものがOK例にあたります。

どうしても凝ったタイトルを使いたい場合は、関連するブログやホームページを別に用意し、その中で本を紹介する方法もあります。ただ、手間が増えて難しくなるので、まずは検索語に素直なタイトルから始めるのがおすすめです。

コツ5:実際のタイトル事例から学ぶ

考え方を、実際にMyISBNで出版された本の事例で見てみましょう。

ひとつは『わかりやすいサンスクリット語の正しい発音と表記』という本です。サンスクリット語の学び方について書かれていて、「サンスクリット語 発音」「サンスクリット語 表記」といった読者の検索語がタイトルに入っています。実際に検索すると、検索結果の上位にこの本のページが表示されます。

もうひとつは『ネコと学ぶディベートの本 日本でいちばんやさしいディベートの教科書』です。ディベートという言葉はよく知られていますが、それを扱った本は意外と少なく、しかも古いものが目立ちます。だからこそ「交渉術」などではなく「ディベート」という読者の検索語をあえてタイトルに据えることで、その分野で見つけてもらいやすくなっています。

副題(サブタイトル)の例文と作り方

「副題の例が見たい」という声はとても多いので、ここで型ごとに具体的な例文を並べてみます。自分の本のジャンルに近いものを、ひな型として使ってみてください。どれも、主題を補って「誰の・何のための本か」を一言で伝えるのがねらいです。

  • 対象読者を示す型 ── 主題『はじめての俳句』/副題『五十代から始める大人の趣味入門』
  • ベネフィットを示す型 ── 主題『朝5分の片づけ』/副題『散らからない部屋が自然と続く習慣』
  • 具体的な数字を入れる型 ── 主題『個人出版のはじめ方』/副題『4,980円から紙の本を出す7つのステップ』
  • 悩み・検索語を入れる型 ── 主題『自費出版という選択』/副題『費用・流通・在庫の不安をやさしく解消』
  • 教材・授業で使う型 ── 主題『図形問題のつまずき解消ドリル』/副題『授業と家庭学習で使える中学数学の演習60問』

コツは、主題で気持ちを引き、副題で具体性と検索語を補うことです。副題を考えるときは、読者が打ち込みそうな言葉(数字・対象・地名・悩み)を一つは入れてみると、検索でも届きやすくなります。あれもこれもと詰め込みすぎず、いちばん伝えたい一点に絞るのが、すっきり伝わる副題への近道です。

まとめ:タイトルは「読者の検索語」から逆算する

本のタイトルは、プロでも最後に付けると言われるほど悩むものです。まずは主題と副題の役割を分けて考え、伝えたい内容を本文として書き上げる。そのうえで「この本を探している読者は、どんな言葉で検索するだろう」とじっくり考えてみてください。読者像→キーワード→主題・副題という順番をたどれば、見つけてもらえるタイトルに近づけます。なお、決めた主題・副題は、本の最後のページに置く奥付にもそのまま記載します。書き方は奥付の書き方で確認できます。

なお、MyISBN のような自己出版サービスでは、登録したタイトルを後から変更することもできます。ISBN付きの紙の本を作る流れそのものは、ISBNを個人で取得する方法と費用の記事にまとめていますので、あわせて確認してみてください。最新の料金や条件は公式サイトでご確認のうえ、出版の際の選択肢のひとつとして役立てていただけたら幸いです。

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